この度、RiverCastは海の影響(潮汐・高潮)を考慮した水位予測ができるようになりました。本記事では予測事例のご紹介も行います。感潮域における水害対策にお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
公的情報×RiverCastで意思決定を支援
1. 追加機能の概要
従来のRiverCastで扱えるデータは雨量と河川水位のみでした。今回のアップデートで、「ダム※」および「潮汐・高潮」も考慮した予測が可能になりました。
※ダムに関しては別記事でご紹介します。
水位予測モデル構築時に蓄積された過去の潮位データを用いて学習を行い、リアルタイム予測時は気象庁の高潮予測データ(高潮ガイダンス格子点値)を用いて予測を行います。
RiverCastの水位予測の仕組み
2. 高潮の原理
海面は月や太陽の引力により、1日に1~2回ほど満潮と干潮を繰り返しています。この日々の水位変動を潮汐と呼びますが、台風が陸に近づくことで海の水位が上昇することがあります。この水位上昇を高潮と呼びます。高潮の主要因として、気圧低下による吸い上げ効果と、沖から海岸に吹く風による吹き寄せ効果が挙げられます。
気象庁HP「高潮」より引用
海に近い河口付近では、潮汐だけでなく高潮の影響を受けて水位が上昇することがあります。河川水位と雨量データのみからモデル構築した場合、このような海の影響を考慮した高精度な水位予測を実施するのは困難でした。
3. 水位予測事例紹介
令和4年(2022年)台風15号における、鶴見川での予測事例をご紹介します※。
※予測モデル自体の性能を確認するため、雨や潮位の予測データは誤差が無い前提で計算を行っています。
予測結果図の見方
"点と線が重なるほどよい結果"であることを示しています
本事例では、海の影響を考慮することで、潮汐による日々の水位変動と高潮による水位上昇を高精度に予測することができました。
予測結果
4. おわりに
いかがでしたでしょうか。今回の機能追加により、RiverCastの予測精度が向上し適用先が拡大いたしました。感潮域の水害対応にお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。
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