この度、RiverCastはダムの影響(放流量、貯水位など)を考慮した水位予測ができるようになりました。本記事では予測事例のご紹介も行います。山間地における水害対策にお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。
公的情報×RiverCastで意思決定を支援
1. 追加機能の概要
2. ダムが河川水位に与える影響
3. 水位予測事例紹介
4. おわりに
1. 追加機能の概要
従来のRiverCastで扱えるデータは雨量と河川水位のみでした。今回のアップデートで、「ダム」および「潮汐・高潮※」を考慮した予測が可能になりました。
※潮汐・高潮に関しては別記事でご紹介します。
水位予測モデル構築時に蓄積された過去のダム諸量データを用いて学習を行い、リアルタイム予測時は河川情報センターから受信するデータを用いて予測を行います。
RiverCastの水位予測の仕組み
2. ダムが河川水位に与える影響
一般的に河川で水を貯める15m以上の構造物を「ダム」と呼び、その役割に応じて「利水ダム」「治水ダム」「多目的ダム」に分類されます。
ダムの主な役割として、
洪水調節
流水の正常な機能の維持
農業・上水道・工業
発電
が挙げられ、大雨時や渇水時など状況に応じて水を貯めたり(貯水)、流したり(放流)します。ダムに貯水された水が放流されると、その下流では水位が上昇します。
河川水位と雨量データのみからモデル構築した場合、人為的なダムの操作による影響を表現した高精度な水位予測を実施するのは困難でした。
3. 水位予測事例紹介
令和5年(2023年)台風2号における、那賀川での予測事例をご紹介します※。
※予測モデル自体の性能を確認するため、雨の予測データは誤差が無い前提で計算を行っています。
予測結果図の見方
"点と線が重なるほどよい結果"であることを示しています
本事例では、上流にあるダムの放流量を考慮することで、ダム放流を伴う下流の水位上昇を高精度に予測することができました。
予測結果
4. おわりに
いかがでしたでしょうか。今回の機能追加により、RiverCastの予測精度が向上し適用先が拡大いたしました。山間地の水害対応にお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。
場所・期間だけ指定すれば、
予測地点の選定から当社におまかせ!