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令和6年台風第10号での水位予測速報


このたびの台風第10号により被災された皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、皆様の安全と被災地の一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。


本記事では、大分県「竹中」(筑後川水系玖珠川)で、RiverCastによる台風第10号の予測検証を行った結果を紹介いたします。

大分県「竹中」(筑後川水系玖珠川)の場所

「国土交通省 水文水質データベース」より



1. 水位変動の概要

竹中地点の予測モデルを過去の水位・雨量データを学習して構築しています。この検証では、台風第10号による水位上昇をRiverCastがどのように予測したのかを整理しています。

今回検証する期間は8/28夜~8/30朝とし、その期間における最大水位は3.76mを観測しました。堤防天端高を超える大きな水位上昇です。


検証期間における水位変動

竹中地点の河川断面図(川の水位情報より加工して作成)


2. 水位予測結果の概要

予測結果の概要について図を交えて解説します。予測結果図は点と線が重なるほどよい結果であることを示しています。

予測結果図の見方


2-1. 天気予報に誤差がない仮定した場合の水位予測結果

水位予測は天気予報の誤差の影響を強く受けます。まずは予報雨量を観測雨量で置き換え、予測モデルの性能を確認します。堤防天端高3.52m(緑線)を超えることを精度良く予測できていて、高精度な水位予測モデルであることを示しています。


雨量および予報雨量を観測雨量で置き換えた場合の予測結果図


2-2. 実際の予報雨量にもとづく水位予測結果

当時の予報雨量データを入力した予測結果です。RiverCastユーザーがリアルタイムに閲覧する予測結果に相当します。予報雨量の誤差の影響を受けピーク付近に過大評価があるものの、水位上昇を高精度に予測できています。当時の雨量は、15時間累積で最大200mmも過大に予報されており、その影響を反映しています。


実際の予測結果


3. 雨量誤差の影響を考慮した確率的な予測

RiverCastは、過去の予報雨量と実績雨量(解析雨量)の関係から、雨量誤差の傾向を加味した予測(予測幅・超過確率)も提供しています。

8月29日 3:00では赤実線で示す予測値は過大評価ですが、予測幅(90%信頼区間)では観測値を捉えることができています

8月29日 3:00 a.m.の解析雨量/予報雨量・観測水位/予測水位


4. 終わりに

本記事では竹中地点での台風10号の河川水位予測結果をご報告しました。

ユーザー様にはご希望に応じて、更に詳しい情報をまとめた出水レポートを作成いたします。また、RiverCastのメリットとして、蓄積データの反映によって年々精度が向上する点が挙げられます。保守サービスの一環として年に一度、モデル構築後に蓄積されたデータを技術者が適切に取捨選択・モデルに反映するため、ご利用期間が長くなるほど予測精度が向上します。


当チームでは常にアルゴリズムやシステムの改善に取り組んでおります。ご質問・ご要望がございましたら ヘルプセンターよりお気軽にお問い合わせください。またご利用者様向けページにてご利用者様向けの情報を集約しております。マニュアル、ヘルプセンターへのリンク、更新情報等の最新トピックスにもアクセスいただけますので是非ご活用ください。



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